「僕もおまえと一緒に出て行くよ」

もちろん冗談だ。
自分の居場所がここ以外にないってことくらい僕はちゃんと知っている。
あいつを少し困らせてみたかっただけ。
どんな反応をするのかみてみたかっただけ……。

けれど僕は、すぐにこの事を後悔する。

「エリック……」

誰も知らない僕の名前を呟いたあいつの顔…
そんな反応が見たかった訳じゃない!
だからちゃんとわかってるんだ!
僕は僕の事をちゃんと理解している!
ただ………

同じものをおまえに求めてしまっただけだ……

おまえがいないと、僕はこのオペラ座で一人きりになる

オマエニモサビシイトカンジテホシカッタダケ……

       ☆       ☆

エリックってさ、最初からキャリエールに甘えてるよね。
わざと彼を困らせて、慌てさせたいという、子供のような甘えっぷり。
エリックが何才の頃からオペラ座の地下に住んでいたのかは知らないけれど、きっと、その頃から、直接関わる事のあったのはキャリエールだけだったのでしょうから、中身が成長していないんだなぁと。
人間は結局、他人と関わる事でしか精神的に大人になる事が出来ない訳ですから、あの「少年」のままのエリックはとても正しい。
「少年」である「子供」は、無条件に親に甘えるものだけれど、エリックの母は既に亡く、父は誰だかわからない。
そしてそばにいるのはキャリエール。
彼に父の面影を追いながらも、本当のところを確かめる事は出来ない。エリックにその勇気はない。それは、「僕の母を知っているとか?」の後に続く、「もしかして……僕の父だとか」の台詞を言うまでの逡巡がそれを物語ってる。
期待と希望、けれど、そうでなかったときの絶望を思う。
だからそれまで子供じみた我侭を言ってみたり、怒りをぶつけて、キャリエールを試してたんだよね
この男はどこまで自分を受け入れ、そして裏切らないのか
それって、結局甘えてるんだよ。

可愛いやつだなぁ、エリック

       ☆       ☆

ルノアールと言う、地方のディープな宝塚ファン(女性に限る)なら一度は耳にする(らしい)西洋民宿での夜は、前日眠れなかったこともあり、あっという間にすぎてしまいました。
なので、同室になった人ともろくに会話も出来ずじまい。
朝も、某路線外中堅男役氏の入り待ちをするため、早々にチェックアウトしていまいました。

その入り待ちで分かった驚愕の事実
相部屋で隣のベッドに寝てたのは、同じ会で昨日も同じ御茶会に来てた人だった
師匠とスターさんにばかり気をとられて、いかに周りが見えていなかったかがよくわかりますヽ(´ー`)ノ
(ちなみに、この日の観劇、彼女とは席も隣でありました)

入り待ちではあの憧れの「スタアの後を楽屋口までついて行く私たち(もちろん会服を着て)」と言うのをやりました。
いってらっしゃいと手を振る事も忘れません。
残念ながら、お手紙を用意するのを忘れていたので、手渡す事は出来ませんでしたが………(T^T)

またしばらくムラへは行けそうにも無いのですけど、それを補うかのように、昨日からこちら、宝塚を堪能しまくりです。
でもあんまり堪能しちゃうと、味をしめてまた行きたくなってしまうのが悲しいところだよね………

さておき

入り待ちを終えて、ふと劇場入り口にいってみると、予科生がすみれ売りをやってました。
すみれ売りに遭遇したのは初めてです。
カメラの数がものすごいの!
テレビもそうだけど、生徒さんのご家族らしき人たちの意気込みがすごくて、しばらく近寄れませんでした(^^;)
でも、堪能タカラヅカですから、思い切り奮発して1000円札を、好みの生徒さんにお渡ししてきました。
ああ、こうやってファンは若い子に目を付けて行くのね………
会で知り合った方に、お目当てのこの写真も撮ってもらいました。

堪能タカラヅカ、最後のお楽しみは会総見です。
あんまりいいお席ではないのが悲しいけれど(所詮路線外中堅ですから)、それでも、同好の皆で集まって観劇をするって言うのはいいですね。
まわりじゅうみな、真ん中の役者ではなく、その周りの役者の小芝居に同じような反応を示すのがかなりツボ(笑)
癖になりそう………いやまじで

終わってからもじっくりお話とかしたかったんですが、新幹線の時間もあって、そそくさと帰らなくちゃならなかったのがとても悲しかったです。
でも、その帰りの新幹線の中で………
私の席は窓際だったのですけどね、暇にあかせてパンフでもよんでみるか〜と読んでたんですよ、そんで、ふと何を思ったか視線を巡らせてみたとき、驚くべきものが!
………反対側の窓際の席に、同じパンフを読んでいる女性がっ!?
ええと……目的地まで、とても楽しい時間を過ごす事が出来ました。
タカちゃんファンの貴女、楽しいおしゃべりありがとう。

というわけで、私の堪能タカラヅカの旅は、最後まで堪能して終わった訳です。
ああ〜楽しかった。

ところで、昨日師匠に名前を曝されたせいでしょうか、いつもちまちまとしか回らないカウンターが、いきなり400ほど回ってました………
これは新手のイジメっ?(笑)

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